先月トライポッドについての記事でプライズコーナーのゲーム機のバリエーションの重要性について少し言及しましたが、その中でも今回は3本爪のプライズ機について考察したいと思います。

3本爪のプライズ機は、持ち上げては落とし持ち上げては落としを繰り返し「惜しい??」動きを演出します。毎プレイのアクションが大きく見た目に楽しめる仕様といえますが、実際に直ぐに攻略できることは稀だと思います。
3本爪のプライズ機については、検索すればいわゆる確率機として細かく解説されていますが、その仕様は一部のユーザーからは評判がよくないです。
いわゆる確率機とは、あらかじめ設定した金額(以下「設定金額」)に達したら、景品を持ち上げた際にアームパワーが強くなる仕様があるプライズ機をいいますが、3本爪のプライズ機に関しては多くの店舗がこの仕様で運営していると想定されます。

一部で評判が悪いにもかかわらずなぜ多くの店舗で利用されているのかユーザーの視点から考察します。まずは確率機の『仕様を知っているユーザー』『知らないユーザー』に分けて考えます。

『仕様を知っているユーザー』
 〇全く設定金額が判らない→プレイする可能性が低い
 〇店舗の設定金額を予想できる場合→プレイする可能性あり
 〇設定金額が予想でき、かつ誰かが途中で諦めた場合→プレイする可能性あり
 〇誰かが攻略した直後→プレイする可能性が下がる

『仕様を知らないユーザー』
 〇何回も同じ動きをするので途中で諦める→リピートする可能性は低い
 (偶然、設定金額に近ければ早く攻略できるが、可能性は低い)

これだけだとユーザーにとってのメリットがあまりありませんが、メリットがある場合を列挙します。
 〇常連様など個別店舗の設定金額を予想できる場合

すみません・・・列挙と記載しましたが1つしか思い浮かびませんでした。つまり確率機の仕様は設定金額が予想できる場合を除いてユーザーのメリットは、ほとんどありません。
反対に店舗側のメリットが大きいです。設定した攻略プレイ回数で安定し、調整が非常に楽です。このように店舗にとってメリットが大きい確率機ですが、店舗が忘れてはいけない事実があります。

店舗にとってメリット = ユーザーにとってデメリット

高すぎる設定金額の仕様は極悪設定と言えるかもしれません。当然この状況を継続していてはユーザーの信頼を得ることはできません。店舗のメリットは実は将来的には店舗のデメリットになることを意識して運営する必要があります。
では3本爪のプライズ機を使わなければ良いといえるでしょうか?
個人的にはプライズコーナーのマンネリ化を防ぐためにも使用した方が良いと考えます。
ではどうすればとなりますが、店舗側のメリットを譲歩して良心的だという印象をもって頂くしかないと思います。

【提案1】自販機クレーン
設定金額を表示する+実力でも攻略可能な設定に調整する。
例)20プレイ以降アームパワーアップ(格段につかみやすくなります)という内容を表示することで、
20プレイ以内で獲得できる可能性があり、かつ最悪20プレイ程度での獲得保証仕様となります。
【提案2】新しい仕様のゲーム性
設定金額はない仕様にして完全実力機として運営する。
アームサイズに合わないサイズの景品を投入したりギミックを工夫したりして今までにないゲーム性で提供してはどうでしょうか?持ち上げては落とす以外の攻略可能なゲーム性を開発する。

どちらの案も店舗側のメリットを譲歩しています。【提案1】は高すぎる設定金額では誰もプレイしないでしょうし、【提案2】は簡単に設置できなくなります。このような案は実践してみてどのような評価を受けるかは判りませんが、重要なのは既存の設備・枠組みの中でも工夫できる余地はまだまだあるという点です。

ゲームセンターに限った話ではないですが、マンネリ化を防ぐ取組みは多くの店舗で試行錯誤されています。我々も細かいことからでも工夫を積み上げていきたいと思います。

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